彼氏の前では声も態度も変える。
そんなあなたは、はたから見れば「猫かぶり」。
「男の前でだけ可愛くなる女っているよねー」って噂話が聞こえると、ズキっとする。
だって、心当たりがあるから…。
酷いときにはビッチっと言われ、同性から嫌われ者の象徴のように扱われてしまう猫かぶりな女性は、意外と自分で自覚しています。
でも、演技するのをやめたくてもやめられないというのが、きっと本音なんです。
今回は、『人はなぜ、違う自分になろうとするのか』という人間の不思議な行動をチェックしましょう。
そして、どうすればこの状態を抜け出せるのかについて、じっくりと考えてみてください。
男の前で演技をしない女は存在しない
「女はみんな女優」という言葉があります。
言い方を変えます。
彼氏の前で演技しない女なんていません。
だから、猫かぶりな女性のことを、女同士で噂しあうのはそもそもおかしいことなのです。
「よく言うよ、自分だって男の前で演技してるじゃん」って言い返していいぐらいです。
では、女たちはなぜ特定の女性に対して「あの女、演技してるよね」とムカつくのでしょう。
答えは簡単です。
男たちから「可愛い」「魅力的だ」という評価を得ているから、ムカつくのです。
要するに嫉妬心ですね。
演技がすみずみまで行き届いている名女優が『猫かぶり』。
演技が雑で、つい本性が出てしまう程度の女優は『普通の女』。
ちなみに…愛や恋とはほど遠い、結婚10年選手や20年選手のおばさま達だって、完全に素ではないですよ。
旦那の前では少し演技をしています。
重たい物を持てないふり、子供の前ではむしゃむしゃ食べるせんべいも、旦那の前では食べないです。
60キロ近い体重を53キロぐらいで旦那に伝えるぐらいのことはします。
本当の自分から大きくかけ離れた演技をしてしまう理由
ここでは、本当の自分からどんどん遠ざかり、演技でがんじがらめになってしまう人のことを取り上げます。
誰もが自分をよく見せたくて、ちょっとは彼氏の前で演技をしているものです。
でも、本当の自分と大きくかけ離れる人たちには、実はこんな背景がありがちです。
- 子供の頃やりたいことをやらせてもらえなかった
- 「お姉ちゃんなんだから」あるいは「妹なんだから」と言われながら育った
- 子供の頃か思春期の頃、男子から傷つくことを言われた
- 本当はやりたい仕事があったのに親に認めてもらえなかった
こういう経験は、「自分らしくあってはいけない」というメッセージとしてインプットされてしまいます。
そして、このままじゃダメだ、私のままでは周りに認めてもらえないという信号になり、人は演じることへ走っていきます。
『自分らしさ』や『やりたいこと』『本当に好きなこと』を否定されると、自尊心が傷つくのです。
自尊心を取り戻す
自尊心が高い人は、ありのままの自分を受け入れ、自分のことを好きでいられます。
逆に、自尊心に入った傷が深いほど、演技にも熱が入り、名俳優・名女優になっていきます。
芸人、芸能人によくいますね。カミングアウトをする人。
「私は男みたいって言われていました」とか。
「小学生の頃、いじめられていた」とか。
「存在感ゼロって言われていた」とか。
プロボクサーにも元は弱かったと告白する人が多くいます。
元々の自分を封印し、「俺は強い、強い、強い」と言い聞かせて別の自分になったということでしょう。
ありのままの自分にふたをする。
違う自分を演じ続ける。
まわりから評価をもらう。
だけどやっぱり本当の自分のことも知ってほしいと思うから、告白するわけです。
その告白、あなたなら誰に最初に聞いてもらいたいですか?
自分らしさを出してみよう
そうは言っても、やっぱり彼氏に本当の自分がバレるのは怖い…というのが本心だと思います。
自分らしさやありのままの自分を出すのは、ある日突然着ていた服を全て脱ぎ捨てるようなことではありません。
ちょっとした『意外性』を彼氏の前で出していく。そうとらえてみるとどうでしょうか。
実は男って、『女の意外性』が大好きです。
コンタクトだった女性が、ある日たまたま眼鏡をかけてきたら「惚れそうになった」という話はよくあります。
「彼氏にすっぴんなんて見せられなーい!」って、女なら誰もが思うけど、すっぴん見せたからお別れしましたって話は聞いたことがありません。
むしろ、「きれいじゃん。ずっとすっぴんでいれば?」みたいな反応が返ってきます。
「私って少食であんまり食べられない」って言っていた女性が、デート中にあれもこれも美味しそうに食べる『意外性』、男は案外喜ぶものです。
今までは誘いにくかったけど、中華料理とか焼肉屋にも誘ってみようかなと思えます。
何より、好きな女性が美味しそうに食べている姿は嬉しいものだと、多くの男性は言っています。
彼氏の部屋に初めて行った頃は、可愛く見える角度で顔を見せるとか、しぐさ一つ一つに気を使っていた。
けど、慣れてきたらあぐらをかいてビール飲む女性なんて、山のようにいます。
むしろそれが普通です。
こういった『意外性』は、彼氏にはこう受け取ってもらえます。
「俺の前だと安心してるんだな」
「俺しか知らない姿なんだろうな」
「俺だから彼氏やっていられるんだろうな」
彼氏とは、あなたに女らしい部分や可愛い部分だけを求めている存在ではありません。
人間らしい、肩の力を抜いた、ごくごく日常のスタイルや表情というものも見たいと思っています。
少しずつ彼氏に自分の『意外な部分』を出していくと、だんだんと心が解放されていきます。
心が解放しはじめると、実は本当の自分を長く隠していたという事実を言葉で彼氏に伝えられるようにもなります。
彼氏とは、あなたがこれまで親の前でも兄弟姉妹の前でも見せられなかった内面をさらけ出せる、唯一の相手です。
出発点
もしも猫かぶりをやめて、彼氏の前で今までと違う自分が出せたなら、それは単に『化けの皮が剥がれた』ということではありません。
さんざん演技をしてきて、演技をやめたときの自分というものは、ぶりっ子になる前の単なる昔の自分に戻るのとは全然違うのです。
なぜだと思いますか?
悩み苦しんだ後に生まれた自分には、プロセスがあるからです。
ああでもない、こうでもないと試行錯誤をくりかえしきたプロセスは、その人の財産になります。
「もしもあなたが成長したいならば、本気で感動し、本気で悩みなさい。そのふたつの経験で人は成長していきます。」
という言葉があります。
もしもあなたが今の自分に悩み、猫かぶりに疲れてきたならば、そろそろ抜け出す時期がきているということです。
サナギが脱皮して幼虫に戻ることがないように、人もまた、脱皮した後に未熟な人間に戻ることはありません。
皮を脱いだ後には、成熟した蝶々になるのです。